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国内・海外のABM支援企業まとめ。大手企業開拓で見るべき支援領域と選び方

ABM(Account Based Marketing)は、獲得できそうなリードを広く集めるのではなく、受注したい企業を先に定め、その企業ごとに営業・マーケティングの動きを組み立てる考え方です。

参考記事でも、ABMは個社をひとつの市場として捉え、マーケティングと営業が連携しながら、データとテクノロジーを使って重要顧客との関係を深めるアプローチとして整理されています。

ただし、ABM支援企業といっても、提供価値は大きく異なります。戦略設計に強い会社、企業データに強い会社、広告配信に強い会社、営業実行まで支援する会社があります。自社の課題に合わない支援を選ぶと、ツールは入ったものの商談が増えない、という状態になりがちです。

本記事では、国内・海外の代表的なABM関連企業を、支援領域ごとに整理します。

ABM支援企業を見る前に整理すべきこと

ABMの成否は、ツール名ではなく、どのアカウントを狙い、誰に、何を、どの接点で届けるかを具体化できるかで決まります。

狙う企業群は明確か

企業単位だけでなく、部署・意思決定者・関与者まで見えているか

営業とマーケティングで同じターゲットリストを見ているか

メール、電話、広告、SNS、イベント、手紙などの接点を組み合わせられるか

施策後に、商談化・案件化・受注まで追えるか

この前提が曖昧なまま支援企業を比較すると、機能比較だけになってしまいます。まずは自社が、戦略・データ・施策実行・営業接点のどこで詰まっているのかを切り分けることが重要です。

ABM支援の主な分類

ABM支援は、おおまかに5つに分けて考えると選びやすくなります。

戦略設計・伴走支援: ターゲットアカウントの定義、KPI設計、営業マーケ連携、コンテンツ設計を支援する

企業データ・顧客データ基盤: 企業属性、業界、売上規模、既存顧客データ、名寄せを整備する

インテントデータ・予測分析: Web行動、検索、外部シグナルから、関心が高い企業を検知する

広告・コンテンツ配信: ターゲットアカウントに対して広告やコンテンツを出し分ける

営業実行・接点設計: 部署、キーパーソン、直通番号、イベント接点などをもとに実際のアプローチまで支援する

海外のABM支援企業

海外のABM関連企業は、インテントデータ、広告配信、GTMオーケストレーション、予測分析に強い傾向があります。特に北米では、マーケティング、営業、カスタマーサクセス、RevOpsをまたいで、アカウント単位でシグナルを見て施策を自動化する考え方が進んでいます。

Demandbase

Demandbaseのサービストップページ

Demandbaseは、BtoB向けのGTMプラットフォームです。アカウント、バイインググループ、エンゲージメントデータを統合し、マーケティング、広告、営業、データ領域をまたいで、優先すべきアカウントの特定や施策実行を支援します。

アカウント単位で広告や営業活動を連動させたい企業、マーケティングと営業の活動をパイプライン指標で見たい企業に向いています。

向いている企業

グローバルでABMを本格運用したい

広告、Web行動、営業活動、パイプラインを統合して見たい

マーケティング、営業、RevOpsを同じアカウントデータで動かしたい

6sense

6senseのサービストップページ

6senseは、インテントデータやAIを用いて、購買意欲が高いアカウントの検知、ターゲティング、キャンペーン最適化、営業インサイト提供を支援するプラットフォームです。サイト上でも、Revenue Marketing、Sales Intelligence、Predictive Modeling、Account Prioritizationなどの機能が示されています。

買い手の見えない検討行動を早期に捉えたい企業や、インテントデータを営業活動に反映したい企業に向いています。

向いている企業

購買意欲の高い企業を早期に検知したい

インテントデータを広告・メール・営業活動に反映したい

大量のアカウントから優先順位を自動化したい

AdRoll ABM(旧RollWorks)

AdRoll ABMのサービストップページ

AdRoll ABMは、旧RollWorksの流れをくむABM広告・アカウントベースドマーケティング支援です。ターゲットアカウントへのマルチチャネル広告、バイヤーシグナル、CRM連携、施策効果測定を提供しています。

広告を中心にターゲットアカウントへの認知形成や接触頻度を高めたい企業に向いています。営業接点の前後で広告を組み合わせたい場合にも候補になります。

向いている企業

ターゲットアカウント向けの広告配信を強化したい

営業活動と広告接触を連動させたい

ABM施策の広告効果をパイプラインまで見たい

DemandScience

DemandScienceのサービストップページ

DemandScienceは、ABM、インテントドリブンキャンペーン、リード獲得、データ、コンテンツ、イベントなどを組み合わせた支援を提供しています。サイト上では、精度の高いABM・デマンドプログラムを、データと専門サービスを組み合わせて運用する方向性が示されています。

自社でABMプラットフォームを運用するよりも、キャンペーン設計や実行支援まで外部に任せたい企業に向いています。

向いている企業

ABMキャンペーンの実行リソースが足りない

コンテンツ、データ、広告、イベントを組み合わせたい

プラットフォーム導入よりも成果に直結する運用支援を求めている

国内のABM支援企業

日本国内でABMに取り組む場合、海外ツールのように企業単位のシグナルを見るだけでは足りない場面があります。大手企業では部署構造が複雑で、意思決定者、利用部門、予算部門、情報システム、購買部門が分かれていることが多いためです。

Sales Retriever株式会社

Sales Retrieverのサービストップページ

Sales Retrieverは、大手企業開拓とABM実行に特化したAIツールです。ターゲットリスト作成、企業リサーチ、組織図・部署連絡先・キーパーソン特定、提案仮説作成、接点設計までを一気通貫で支援します。

特徴は、企業データを見るだけでなく、誰に、何を、どの接点からアプローチするかまで営業実行に落とし込めることです。電話、メール、手紙、SNS、イベント接点を組み合わせるマルチハイブリッドアプローチを前提に、大手企業の部署攻略やエンタープライズBDRの実務に寄せた支援ができます。

向いている企業

大手企業向けの新規商談を増やしたい

企業名は決まっているが、部署やキーパーソンが分からない

代表電話や問い合わせフォームだけでは接点化できていない

インサイド施策とイベント・展示会などのフィールド接点を組み合わせたい

株式会社イノーバ

イノーバ ABM導入・運用支援サービスのページ

イノーバは、BtoBマーケティング・セールス支援、Webサイト制作、コンテンツ制作などを提供する支援会社です。参考記事では、ABM導入・運用支援として、データ分析とコンテンツマーケティングの知見を活かし、準備段階から実行まで段階的に支援すると紹介されています。

ABMをこれから始める企業にとっては、ターゲットアカウントの定義、コンテンツ設計、営業・マーケティング連携の型づくりを外部の伴走支援で進められる点がメリットです。

向いている企業

ABMの導入方針や社内合意形成から支援してほしい

コンテンツマーケティングとABMを組み合わせたい

営業・マーケティングの体制づくりから見直したい

TrenDemon Japan株式会社

TrenDemonのサービストップページ

TrenDemonは、コンテンツマーケティングやABM領域のSaaSとして紹介される企業です。参考記事では、6senseやDemandbaseのオフィシャルパートナーとしてグローバル企業のマーケティング活動を支援している点が触れられています。

ABM広告、コンテンツ接触、Web上の行動把握、海外ABMツールとの組み合わせを検討する企業に向いています。自社サイト上のコンテンツ体験を改善しながら、ターゲットアカウントの行動を把握したい場合に候補になります。

向いている企業

Webサイト上のコンテンツ接触をABM施策に活かしたい

6senseやDemandbaseなど海外ABMツールとの連携を検討している

グローバル水準のABM運用を国内で進めたい

Speeda / FORCAS

Speedaのサービストップページ

ユーザベースのSpeedaは、経済情報、企業情報、業界レポート、人物情報、ニュースなどをもとに、営業戦略やアカウントプラン作成を支援する経済情報プラットフォームです。サイト上でも、法人営業、営業戦略、提案準備、アカウントプラン作成といった用途が示されています。

FORCASはSpeedaの顧客企業分析領域として位置づけられており、企業属性や顧客分析をもとに、狙うべき市場や企業群を整理する用途に向いています。

向いている企業

既存顧客やターゲット企業を分析して優先順位を決めたい

業界・企業情報をもとにアカウントプランを作りたい

経営企画、営業企画、マーケティングが同じ企業情報基盤を使いたい

uSonar

uSonarのサービストップページ

uSonarは、法人企業データ、顧客データ統合、名寄せ、SFA・MA有効化などを支援するデータ基盤系のサービスです。ABMでは、そもそも顧客データが重複している、企業属性が不足している、SFAとMAで会社情報が揃っていない、という状態が大きなボトルネックになります。

そのため、ターゲットアカウントを決める前段階で、顧客データの整備や名寄せが必要な企業に向いています。

向いている企業

SFA、MA、名刺管理、請求データなどで企業情報が分散している

既存顧客データを整備してターゲット企業を抽出したい

データ品質を改善して営業・マーケティング施策の精度を上げたい

国内と海外で選び方は変わる

国内ABMでは、部署構造、役職名、異動情報、直通番号、イベント登壇、手紙や電話など、日本企業特有の接点設計が重要になります。単に企業単位のスコアを見るだけでは、実際に誰へアプローチすべきかが見えにくいからです。

一方、海外ABMでは、インテントデータ、広告配信、Web行動、CRM連携、RevOps視点でのオーケストレーションが強く発展しています。大規模にターゲットアカウントを動かすには有効ですが、日本企業の部署攻略やキーパーソン特定は別途補完が必要になる場合があります。

選定時のチェックリスト

戦略設計だけでなく、実際の営業アクションまで落ちるか

企業単位だけでなく、部署・人物・接点まで見えるか

自社のSFA、MA、CRM、名刺管理と連携できるか

広告やメールだけでなく、電話、手紙、SNS、イベント接点も設計できるか

商談化、案件化、受注まで効果測定できるか

国内大手企業の意思決定構造に対応できるか

まとめ

ABM支援企業を選ぶときは、有名なツールかどうかではなく、自社が詰まっている場所を解消できるかで判断することが大切です。

ターゲット企業の選定やデータ整備が課題なら、Speeda / FORCASやuSonarのようなデータ基盤系の支援が候補になります。ABMの戦略設計やコンテンツ施策から始めるなら、イノーバのような伴走支援が合います。インテントデータや広告を大規模に運用したいなら、Demandbase、6sense、AdRoll ABM、DemandScienceのような海外系プラットフォームや実行支援が選択肢になります。

大手企業開拓で、部署・人物・接点設計まで踏み込み、実際の商談創出につなげたい場合は、Sales Retrieverのように営業実行まで見据えたABM支援を検討するとよいでしょう。

参考情報