結論:ABM支援企業は、詰まっている工程で選ぶ
ABM支援企業は、①ターゲット企業の選定、②企業・部署・人物の理解、③インテントや広告配信、④営業実行・接点設計のどこを補いたいかで選びます。大手企業の重点アカウントについて、企業選定後の調査から初回接点の準備まで進めたい場合は、Sales Retrieverが候補になります。
一方、顧客データの名寄せ、広告配信、インテント検知、戦略設計の伴走が主目的なら、それぞれのカテゴリを第一候補として比較してください。本記事では、国内・海外のABM関連企業を支援領域ごとに整理します。
ABM支援企業を見る前に整理すべきこと
ABM支援企業を比べる前に、どのアカウントを狙い、誰に、何を、どの接点で届けるかを決めます。企業名だけでなく、対象部門、人物候補、選定理由、次の行動まで必要かを確認してください。
狙う企業群は明確か
企業単位だけでなく、部署・意思決定者・関与者まで見えているか
営業とマーケティングで同じターゲットリストを見ているか
メール、電話、広告、SNS、イベント、手紙などの接点を組み合わせられるか
施策後に、商談化・案件化・受注まで追えるか
この前提が曖昧なまま支援企業を比べると、機能名の一覧だけで判断することになります。自社が、戦略・データ・施策実行・営業接点のどこで止まっているのかを先に切り分けます。
ABM支援の主な分類
ABM支援は、おおまかに5つに分けて考えると選びやすくなります。
戦略設計・伴走支援: ターゲットアカウントの定義、KPI設計、営業マーケ連携、コンテンツ設計を支援する
企業データ・顧客データ基盤: 企業属性、業界、売上規模、既存顧客データ、名寄せを整備する
インテントデータ・予測分析: Web行動、検索、外部シグナルから得たシグナルを、企業の優先順位付けに使う
広告・コンテンツ配信: ターゲットアカウントに対して広告やコンテンツを出し分ける
営業実行・接点設計: 部署、キーパーソン、直通番号、イベント接点などをもとに実際のアプローチまで支援する
本記事は、2026年9月12日時点で各社の公式情報を確認でき、支援領域の違いを説明できる代表例を掲載したものです。順位や網羅性を示すものではありません。機能、提供地域、料金、連携範囲は各社の最新情報で確認してください。
海外のABM支援企業
海外のABM関連企業は、インテントデータ、広告配信、GTMオーケストレーション、予測分析に強い傾向があります。特に北米では、マーケティング、営業、カスタマーサクセス、RevOpsをまたいで、アカウント単位でシグナルを見て施策を自動化する考え方が進んでいます。
Demandbase
Demandbase サービストップページ https://www.demandbase.com/
Demandbaseは、BtoB向けのGTMプラットフォームです。アカウント、バイインググループ、エンゲージメントデータを統合し、マーケティング、広告、営業、データ領域をまたいで、優先すべきアカウントの特定や施策実行を支援します。
アカウント単位で広告や営業活動を連動させたい企業、マーケティングと営業の活動をパイプライン指標で見たい企業に向いています。
Demandbaseが向く企業
グローバルでABMを本格運用したい
広告、Web行動、営業活動、パイプラインを統合して見たい
マーケティング、営業、RevOpsを同じアカウントデータで動かしたい
6sense
6sense サービストップページ https://6sense.com/
6senseは、インテント・エンゲージメントシグナルやAIを用いたアカウントの優先順位付け、ターゲティング、キャンペーン運用、営業向けの情報提供を掲げるプラットフォームです。サイト上でも、Revenue Marketing、Sales Intelligence、Predictive Modeling、Account Prioritizationなどの機能が示されています。
6senseが提供するシグナルを使って検討の兆候を確認したい企業や、インテントデータを営業活動に反映したい企業に向いています。
6senseが向く企業
6senseが提供するシグナルから検討の兆候を早期に確認したい
インテントデータを広告・メール・営業活動に反映したい
大量のアカウントから優先順位を自動化したい
AdRoll ABM(旧RollWorks)
AdRoll ABM サービストップページ https://www.adroll.com/solutions/account-based-marketing
AdRoll ABMは、旧RollWorksの流れをくむABM広告・アカウントベースドマーケティング支援です。ターゲットアカウントへのマルチチャネル広告、バイヤーシグナル、CRM連携、施策効果測定を提供しています。
広告を中心にターゲットアカウントへの認知形成や接触頻度を高めたい企業に向いています。営業接点の前後で広告を組み合わせたい場合にも候補になります。
AdRoll ABMが向く企業
ターゲットアカウント向けの広告配信を強化したい
営業活動と広告接触を連動させたい
ABM施策の広告効果をパイプラインまで見たい
DemandScience
DemandScience サービストップページ https://demandscience.com/
DemandScienceは、ABM、インテントドリブンキャンペーン、リード獲得、データ、コンテンツ、イベントなどを組み合わせた支援を提供しています。サイト上では、精度の高いABM・デマンドプログラムを、データと専門サービスを組み合わせて運用する方向性が示されています。
自社でABMプラットフォームを運用するよりも、キャンペーン設計や実行支援まで外部に任せたい企業に向いています。
DemandScienceが向く企業
ABMキャンペーンの実行リソースが足りない
コンテンツ、データ、広告、イベントを組み合わせたい
プラットフォーム導入よりも、キャンペーンの運用支援を求めている
国内のABM支援企業
日本国内でABMに取り組む場合、企業単位のシグナルだけでは足りない場面があります。大手企業では部署構造が複雑で、意思決定者、利用部門、予算部門、情報システム、購買部門が分かれていることが多いためです。
Sales Retriever株式会社
Sales RetrieverのABM支援ページ https://www.sales-retriever.jp/abm
Sales Retrieverは、大手企業開拓を支える営業インテリジェンス型の営業AIです。企業情報、組織・部署、人物候補、企業の変化を調べ、選定理由と初回接点の仮説を整理する用途に向きます。対応範囲や情報の更新時点は、公式ページと実際の画面で確認してください。
大手企業の重点アカウントについて、企業選定後の調査から初回接点の準備まで進めたいチームが候補になります。顧客データの名寄せ、広告配信、汎用メール配信が主目的なら、別カテゴリの製品を第一候補として比較します。
Sales Retrieverが向く企業
大手企業向けの新規商談を増やしたい
企業名は決まっているが、部署やキーパーソンが分からない
代表電話や問い合わせフォームだけでは接点化できていない
インサイド施策とイベント・展示会などのフィールド接点を組み合わせたい
株式会社イノーバ
イノーバは、BtoBマーケティング・セールス支援、Webサイト制作、コンテンツ制作などを提供する支援会社です。参考記事では、ABM導入・運用支援として、データ分析とコンテンツマーケティングの知見を活かし、準備段階から実行まで段階的に支援すると紹介されています。
ABMをこれから始める企業にとっては、ターゲットアカウントの定義、コンテンツ設計、営業・マーケティング連携の型づくりを外部の伴走支援で進められる点がメリットです。
イノーバが向く企業
ABMの導入方針や社内合意形成から支援してほしい
コンテンツマーケティングとABMを組み合わせたい
営業・マーケティングの体制づくりから見直したい
TrenDemon Japan株式会社
TrenDemon サービストップページ https://trendemon.jp/product
TrenDemonは、コンテンツマーケティングやABM領域のSaaSとして紹介される企業です。参考記事では、6senseやDemandbaseのオフィシャルパートナーとしてグローバル企業のマーケティング活動を支援している点が触れられています。
ABM広告、コンテンツ接触、Web上の行動把握、海外ABMツールとの組み合わせを検討する企業に向いています。自社サイト上のコンテンツ体験を改善しながら、ターゲットアカウントの行動を把握したい場合に候補になります。
TrenDemonが向く企業
Webサイト上のコンテンツ接触をABM施策に活かしたい
6senseやDemandbaseなど海外ABMツールとの連携を検討している
グローバル水準のABM運用を国内で進めたい
Speeda / FORCAS(提供終了予定のため参考掲載)
Speeda サービストップページ https://jp.ub-speeda.com/
スピーダ 顧客企業分析(旧FORCAS)、スピーダ 顧客企業データハブ(旧FORCAS)、スピーダ 営業リサーチ(旧FORCAS Sales)は、公式発表で2027年3月31日をもって提供終了予定です。過去の機能や導入事例を比較軸の参考にする場合も、移管先、代替サービス、契約条件を確認してください。
Speeda / FORCASを参考にする場合
終了日までの既存契約や運用を確認したい
過去の企業分析・営業リサーチの考え方を比較軸として参照したい
移管先や代替サービスを含めて選定したい
uSonar
uSonar サービストップページ https://usonar.co.jp/
uSonarは、法人企業データ、顧客データ統合、名寄せ、SFA・MA有効化などを支援するデータ基盤系のサービスです。ABMでは、そもそも顧客データが重複している、企業属性が不足している、SFAとMAで会社情報が揃っていない、という状態が大きなボトルネックになります。
そのため、ターゲットアカウントを決める前段階で、顧客データの整備や名寄せが必要な企業に向いています。
uSonarが向く企業
SFA、MA、名刺管理、請求データなどで企業情報が分散している
既存顧客データを整備してターゲット企業を抽出したい
データ品質を改善して営業・マーケティング施策の精度を上げたい
国内と海外で選び方は変わる
国内ABMでは、部署構造、役職名、異動情報、直通番号、イベント登壇、手紙や電話など、日本企業特有の接点設計が重要になります。単に企業単位のスコアを見るだけでは、実際に誰へアプローチすべきかが見えにくいからです。
一方、海外製品には、インテントデータ、広告配信、Web行動、CRM連携などを主軸とするものがあります。製品によっては、日本企業の部署・人物情報を別途確認・補完する必要があるため、各社の対象範囲を確認してください。
選定時のチェックリスト
戦略設計だけでなく、実際の営業アクションまで落ちるか
企業単位だけでなく、部署・人物・接点まで見えるか
自社のSFA、MA、CRM、名刺管理との連携範囲を確認できるか
広告やメールだけでなく、電話、手紙、SNS、イベント接点も設計できるか
商談化、案件化、受注まで効果測定できるか
国内大手企業の意思決定構造に対応できるか
まとめ:支援領域と次の行動で選ぶ
ABM支援企業は、知名度や掲載順位ではなく、自社が止まっている工程で選びます。ターゲット企業の選定やデータ整備ならuSonarなどのデータ基盤、戦略設計やコンテンツ施策ならイノーバ、インテントデータや広告運用ならDemandbase、6sense、AdRoll ABM、DemandScienceが比較候補です。Speeda / FORCAS系サービスは提供終了予定のため、移管先や代替サービスを確認してください。
大手企業の重点アカウントについて、部署・人物・初回接点まで準備したい場合は、Sales Retrieverのような営業インテリジェンス型サービスを比較します。表示された情報の出典と更新時点を確認し、最終的な優先順位と連絡方法は担当者が決めてください。
掲載内容は各社が公開している情報を基に整理しています。機能、対象地域、料金、連携範囲は変更されるため、導入前に各社の公式ページと提案内容を確認してください。確認日:2026年9月12日。
参考情報
Sales RetrieverのABM支援ページ https://www.sales-retriever.jp/abm
TrenDemon https://trendemon.jp/product
Speeda https://jp.ub-speeda.com/
スピーダ 顧客企業分析・顧客企業データハブ・営業リサーチの提供終了のお知らせ(2026年8月7日) https://jp.ub-speeda.com/news/20260807-02/
Demandbase https://www.demandbase.com/
AdRoll ABM https://www.adroll.com/solutions/account-based-marketing