「DMも送った。イベントも開いた。その後の電話もしている。でも、大手企業の商談が増えない」。そんなとき、次に何を見直しますか。
発送数や架電数を増やす前に、相手がどこで止まっているかを見たいところです。本人まで届いていないのか。目には入ったけれど、詳しく見る理由がないのか。それとも、内容には関心があっても、自社で使うイメージが湧いていないのか。同じ「商談にならない」でも、直す場所が違います。
前の記事 では、自社が選ばれるペルソナを決める話をしました。今回は、その相手に合わせて、商談までのアプローチを組み立てる方法を考えます。
チャネル・コンテンツ・アプローチの3段階に分ける
商談につながる接点を、まず次の三つに分けて考えます。
図解を拡大 インプレッション用のチャネルは、狙った本人の目に届けるための経路です。DM、メール、SNS、紹介などが候補になります。インプレッションとは、ここでは「本人の目に入ること」です。
エンゲージメント用のコンテンツは、相手が時間を使って見たり、参加したりしたくなる内容です。他社の事例、専門セミナー、お役立ち資料などが当たります。エンゲージメントは「もう少し詳しく知ろうとすること」と捉えてください。
自分ごと化のアプローチは、その内容を自社の課題とサービスの価値に結び付けてもらう働きかけです。事例を自社と照らし合わせる問いや、状況に合わせたメール、電話、個別相談などで理解を深めます。
この三つを、ペルソナとサービスに合わせて選び、組み合わせます。DM・イベント・電話は、その一例です。すべてのサービスで同じ施策を使う必要はありません。共通に使えるのは、三つに分けて設計する考え方です。
まず、狙った本人に届く経路を選ぶ
大手企業へアプローチするなら、企業名に加え、対象の部署・役割・可能なら本人の名前まで明らかにします。代表窓口から部署へ転送してもらう経路と、本人宛に届く経路では、用意する情報や途中のやり取りが変わります。
本人への届きやすさ、狙える人数、手間や費用など、今回のペルソナに必要な点を選んで比較します。
図解を拡大 例えば、大手企業の人事部にイベントを案内するなら、部署や担当者を絞ったDMを検討できます。本人とのつながりがSNSにあるなら、そちらが候補になるかもしれません。紹介を頼める相手がいるなら、その経路もあります。
選ぶときに確認したいのは、「その人はどこにいて、どこなら情報が届くか」です。DMを発送した、メールを送信した、という実施記録だけでは、本人が目を通したかまでは分かりません。返信や本人との会話など、確認できた接点を分けて記録します。
届けるのは、相手が時間を使いたくなるコンテンツ
本人に届いても、いきなり「当社サービスの説明会です」と案内されて、時間を使う理由はあるでしょうか。サービスをまだ知らない相手には、参加する理由から考える必要があります。
ここでは、大手企業の人事部を対象に、各社の事例を共有するイベントを例にします。「同じ立場の人たちは、どんな取り組みをしているのか」「他社では何がうまくいき、何に苦労したのか」。こうした、ターゲットに共通する関心を扱います。
図解を拡大 DMチラシには、誰に向けたイベントで、何を持ち帰れるのかを書きます。案内する相手とコンテンツをそろえることが大切です。幅広いテーマで人数を集めることより、狙った相手が「これは聞きたい」と思う内容になっているかを確かめます。
参加したい理由を、自社で取り組む理由へつなぐ
イベントへの参加は、そのままサービスの導入意向にはなりません。他社の話を聞きたい人と、自社の課題を解決するために具体的な相談をしたい人では、必要な情報が違います。
イベントでは、取り組みの結果に加え、背景にあった課題や進め方も共有します。「自社にも似た状況がある」「この考え方なら、自分たちにも使えるかもしれない」と、事例を自社に置き換えられる内容にします。
図解を拡大 DMでイベントを案内するところから、その後の対話までをつなげると、次のようになります。
図解を拡大 その後の電話も、相手が何に関心を持ったかを引き継ぎます。例えば、「先日の事例で、参考になったところはありましたか?」「御社では、今どのように進めていますか?」と聞く。自社の状況を伺い、サービスが役立つ可能性を一緒に確かめます。
具体的に相談したい点が見えたら、「その運用について、次回もう少し詳しく伺えますか」と、商談で扱う内容を決めます。参加御礼から一足飛びにサービス説明へ進むより、相手が相談する理由を明らかにする方が、次の会話をつくりやすくなります。
この例では、イベントも自分ごと化を担っています。三つの段階に分けるのは、役割を確認するためです。一つの施策が複数の役割を担う場合もあります。
ペルソナやサービスが変われば、組み合わせも変える
大手人事の例を、すべての相手に当てはめる必要はありません。例えば情報システム部門向けなら、相手が読む専門媒体で運用事例を届け、その企業の体制や既存システムに合わせた個別相談へつなぐ設計が考えられます。
図解を拡大 どの媒体を見ているか、どんな事例なら関心を持つか、何が分かれば具体的に相談したくなるか。相手が変わったら、この三つを考え直します。自分たちで確認した顧客の話や、施策への反応をもとに組み合わせを見直していきます。
マーケティングと営業で担当が分かれる場合も、関心を持った内容と、まだ確認できていないことを渡します。イベント参加者と欠席者に、同じ話を聞いた前提で連絡しないことも、その一つです。
チャネルごとの流れは、次の全体図にもまとめています。詳細は Figmaの共有ボード で拡大してご覧いただけます。自社の組み合わせを考える際のたたき台にしてください。
図解を拡大 次の会議では、三つを一枚に並べる
まずは、狙うペルソナを一つ選んでください。その人に対するインプレッション用チャネル、エンゲージメント用コンテンツ、自分ごと化のアプローチを並べます。
図解を拡大 届いていないなら、宛先や経路を見直す。対象者の参加につながらないなら、テーマや案内を見直す。参加しても商談にならないなら、自社との関連を理解できたか、次に何を相談できるかを見直します。推測と、本人の反応から確認できたことは分けておきます。
「次は何の施策を増やすか」と話す前に、「このペルソナには、三つをどう組み合わせるか」をチームで書いてみてください。施策の担当ごとに報告していた数字が、同じ相手との商談をつくるための判断材料になります。
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元記事:大手企業の商談を増やす「組み合わせ」の設計――チャネル・コンテンツ・自分ごと化の3段階 https://note.com/nmatsumoto/n/nbcd56cdbc441
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- 執筆
- 松本
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- Sales Retriever編集部
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- Sales Retriever監修チーム
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