導入企業
富士通株式会社
ABSのさらなる高度化へ。統合的アカウント理解でLoBアプローチ精度を向上
活用領域 ABS(アカウントベースドセリング)のさらなる高度化と、新規キーパーソン発掘・有効会話率・商談品質の向上
インタビュイー CRO室 Digital Sales Division Manager 重松 様(写真中央) CRO室 Digital Sales Division Sales Enablement Team 山道 様(写真左) CRO室 Digital Sales Division Senior Digital Sales 中井 様(写真右)
導入前の課題
- お客様との接点拡大に向け、各種ツールを活用していたが有効な接点開拓に苦戦していた
- LoB部門や新規のお客様に対して、組織図・部署名・担当者情報を踏まえたアプローチが難しかった
- ABSを進めるための統合的なアカウント理解、バイインググループ把握、社内での仮説共有に時間がかかっていた
導入後の効果
- 電話番号などのコンタクト情報保有率が他ツールより10%以上高く、接点範囲が拡大
- 組織図・部署番号・担当者情報を一つのツールで確認でき、調査時間が1/3に削減
- ABSに必要なアカウント理解とバイインググループ把握を効率化し、セールス・事業部との仮説共有や商談引き渡しの質が向上
Sales Retrieverの活用文脈
関連テーマ
利用用途
対象部門
関連機能
インタビュー
会社概要・事業内容
重松様
富士通は、ITコンサルティング、システムインテグレーション、クラウド、AI、データ活用、セキュリティ、ネットワークなどを提供している会社です。公共領域のお客様に加えて、業種ごとの大手企業を中心に、幅広いお客様と向き合っています。
IT企業からDX企業への変革を掲げ、従来のプロダクトアウト型からオファリング型への変革を進めています。売るものが変わると、向き合う相手も変わります。これまで接点の多かった情報システム部門だけでなく、Line of Business(以下、LoB)部門、新規のお客様への開拓も重要になっています。
所属されている部署について
重松様
デジタルセールスディビジョンは、営業とバディになり、お客様と長期的な関係を構築し、ビジネス拡大に貢献するレベニューエンジンになることをミッションにしています。実際の活動としては、新規開拓や、潜在的な顧客課題に対するアプローチが中心です。
富士通では、従来のプロダクトアウト型の営業から、オファリング型の提案へと変化が進んでいます。その中で、既存のお客様だけでなく、新規のお客様や、これまで接点の少なかったLoB部門へもアプローチしていく必要があります。デジタルセールスは、その営業変革を前に進めるための組織として立ち上がっています。
組織としては、CRO室の中にあるデジタルセールスの部門で、全体では約130名規模です。実際にお客様へアプローチを行うデジタルセールス部門と、その活動を支援する各専門チームが密に連携しながら、日々の営業活動を推進しています。
現場でお客様にアプローチするメンバーだけでなく、商談品質やコール品質を高めるための仕組みを作るチーム、アカウント戦略を考えるチームもいます。単に電話をかける部門ではなく、セールスや事業部と連携しながら、どの企業のどの部門に、どのテーマで向き合うべきかを考える組織です。

重松様
私は業種本部のデジタルセールスマネージャーとして、担当業種における成果最大化に責任を持ち、戦略立案から実行支援、メンバー育成、Sales連携まで幅広く担っています。
単なる案件管理に留まらず、市場・顧客動向を踏まえたアプローチ方針の策定や、商談創出に向けたプロセス改善、ナレッジ展開を行っています。また、現場メンバーが最大限成果を発揮できるよう、ヒアリング力や仮説構築力の強化支援、活動レビューなどを通じて成長を支援しています。
さらに、Sales部門や関連組織と連携しながら、顧客課題を起点とした営業活動を推進し、再現性のある成果創出と組織全体の生産性向上をリードしています。
中井様
私はシニアデジタルセールス(SDS)として、実際にお客様へアプローチするプレイング業務を担いながら、チームメンバーのパフォーマンスマネジメントやプロセス推進も行っています。現場での実行と、チームとして成果を出すための改善の両方を見る立場です。
特に、Enterpriseの重点顧客を深耕するうえで、アカウントプランに沿った形で、誰に、どのような仮説を持ってアプローチするかをメンバー全員が具体化することを重視しています。
山道様
私はフィールドイネーブルメントとして、デジタルセールスの成果を最大化するための仕組みづくりを担当しています。現場メンバーやSDSを支援しながら、商談品質やコール品質を高めるための施策を運営しています。質の高い商談をセールスに引き渡すためのルールづくりや、フィードバックの仕組みづくりなどを通じて、現場が成果を出しやすい状態を作る役割です。

導入前に抱えていた課題
重松様
デジタルセールス組織が立ち上がった背景には、富士通としての営業改革があります。これまでは既存のお客様、特に情報システム部門との関係が中心でした。ただ、オファリング型の提案が増える中で、新規のお客様や、既存のお客様の中でも接点のないLoB部門へのアプローチが求められるようになりました。
その中で課題だったのが、有効な接点をどう増やすかです。
中井様
ABSを進めるうえでは、バイインググループをどう形成するかが重要です。そのためには、部署単位ではなく、役割・担当を踏まえた適切なアプローチ先を特定し、その方に合わせた個別のアプローチを考える必要があります。以前のツールでは、顧客理解に必要な情報を統合的に把握することが困難でした。
山道様
現場ではコール活動数も求められます。組織図が分からない、部署番号が分からないとなると、事前準備に時間がかかり、コール前の準備負荷が大きかったと感じています。
導入に至った経緯
重松様
最初のきっかけは、展示会でした。そこでSales Retrieverの画面を見せていただき、説明を受けました。その時点で、私たちにとって強い武器になると感じました。
当時は、商談の質をテーマにさまざまな取り組みを進めていました。その前段階として、顧客との接点を増やすこと、新規キーパーソンとの有効会話率を上げることにも力を入れたいと考えていました。ABSを進めるうえで、誰に、どのテーマで、どのようにアプローチするかの解像度を上げる必要があり、Sales Retrieverはまさにそのためのツールだと感じました。
導入前にはPoCも実施しました。結果として、電話番号などのコンタクト情報の保有率が他ツールより10%以上高く、組織図で電話番号を確認できる点が非常に良かったです。
出典が分かることも大きなポイントでした。お客様から「どこでその情報を見たのか」と聞かれた時に、公開情報や人事異動情報、インタビュー記事など、根拠を示しながら説明できます。これはアプローチの信頼性にもつながると感じています。

導入後の変化
中井様
一番大きいのは、担当者単位でお客様を確認できるようになったことです。ABSでは、部署名だけではなく、その企業の中で誰が関係者になり得るのか、どの方にどの切り口で向き合うべきかを考える必要があります。アカウントプランとSales Retrieverの組織図情報を照らし合わせながら、セールスと一緒に誰に向き合うべきかを確認できるようになり、アプローチから商談につながる流れは、体感として間違いなく伸びています。
また、お客様にとっても関心や役割に即した内容でコミュニケーションが可能になったので、より有意義な対話機会につながっていると実感しています。
山道様
調査時間もかなり短くなりました。以前と比べて、Sales Retrieverを使うことで調査時間が1/3に削減され、すぐにコールにつなげられるようになりました。単に調査が早くなっただけではなく、ABSに必要なアカウント理解を短時間で把握できるようになったことが大きいです。
また、担当者情報と情報のソースを確認できるので、「人事異動情報を見ました」「このインタビュー記事を拝見しました」と自然に伝えられます。公開情報に基づいていることを示せる点は、不信感の払しょくにつながり、お客様との会話にスムーズに入れます。
中井様
社内コミュニケーションの質も上がりました。富士通のデジタルセールスは、ソリューション事業部やアカウントセールスなど、社内ステークホルダーとの連携が非常に多いです。Sales Retrieverの組織図を見ながら、「この役割の方に、こういうアプローチを行いたい」と具体的に話せるようになりました。ABSを進めるうえで、同じアカウント情報を見ながら会話できることは非常に重要です。
そうすると、セールス側から「このお客様なら過去に近い事例がある」「この役割ならこういう提案が合うかもしれない」といった会話が出てきます。結果として、仮説を持った状態でお客様に向き合えるようになり、案件創出が増え、その後の商談推進の促進にもつながっていると感じています。

今後に向けて期待すること
重松様
今後期待しているのは、アカウントプラン管理のような機能です。今はアカウントプランをPowerPointで管理していることが多く、更新されていない情報が共有されることもあります。組織図や人の情報、異動やつながりを同じプラットフォーム上で見ながら、アカウント戦略を管理できると非常に価値があると思います。
Sales Retrieverには、単なる連絡先データベースではなく、エンタープライズ営業に必要な組織情報や人物情報を集約し、セールス、デジタルセールス、事業部が同じ情報を見ながらアカウント戦略を立てられる基盤として進化していくことを期待しています。ABSをさらに高度化していくうえでも、こうした情報基盤の価値は大きいと感じています。
